「明白な運命」(マニフェスト・デスティニー)は、その後アメリカの帝国・王義的膨張が起こるたびに使用されるキーワードの一つになりました。
「明白な運命」に操られて地球空聞のあらゆる場所に干渉し、割りこんでいった現代アメリカのどうにもならなくなった運命が、その言葉のなかに象徴されているように思えます。
失われた自然の摂理空間は新世界の価値体系を形づくり、拡張欲を刻む尺度で表されるようになりました。
同時に時間の価値・・・
速度の経済性についてもこれに劣らず重要でしたが、このことを、アメリカ資本主義の発展の中で考察してみましょう。
もともと空間と時間は別々の概念であって、しかも別々ではありません。
空間の「征服」は時間の概念と不可分です。
たとえば鉄道の建設は、これまで一般の旅客には不可能または困難であった広大な内陸の輸送を可能にしました。
同時にこれまで数カ月もかかった馬車や船による旅行は、数日ですむようになりました。
しかし、さらに重要なのは、鉄道の開通によって、列車の到着や出発の時間を定めることが必要になった点です。