湾岸危機以後、アメリカがしきりに国連を重視する発言をするようになった背景には、安保理常任理事国として従来はアメリカの独走をチェックする一定の機能を営んできたソ連と中国が、おのおのの事情があって・・・
いまやアメリカの政策に同調し、下支えするようになったという事情がありました。
しかし、国連憲章が目指す「国際の平和と安全」の内容と、アメリカ(および同国に従う日本)政府の目指す「国際の平和と安全」の内容との問には、重大な違いがあるということです。
・・・そのことは、湾岸危機・戦争に対する両者の対応から明らかになりました。
戦争勃発後のデクエアル国連事務総長の苦悩に満ちた発言や年次報告(91年9月10日公表)は、国連の名を借りてアメリカが行った行動が、実は国連の目的を否定するものであったことを、間接的ではあっても鋭く指摘するものでありました。
・・・今後も深刻な地域紛争が起こる可能性は否定できません。
しかし、問答無用式の軍事的解決を指向するアメリカの「新世界秩序」構想の危険性は明らかとなりました。